ごきげんよう、はじめまして。わさびと申します。今回は自分が普段使用している【サイバー・ドラゴン】というデッキについて書いていこうと思います。テーマユーザーには数年単位でこのテーマを愛用されている猛者が多く、使い始めて弱冠一年程度の新参者がこのような記事をしたためるのは些か気が引けてしまいますが、新型肺炎の流行により公認大会やCS等の競技環境が失われ、暇を持て余していること、ここいらで一旦持論を文章にまとめ、思考の整理に努めたいと思ったことから執筆に至りました。
ちなみに自分は10期に入ってサイバーを使うまでは十二獣真竜→SPYRAL→オルターガイストと握っていました。展開系でもコントロール系でもない、後攻テーマという新しい分野で遊んでみたかったというのがこのテーマに触れるきっかけでした。環境のインフレによりしょっちゅう人権を喪失するテーマですが、盤面の返し方や妨害の踏み方、ライフカットプランなどプレイに際して考えさせられる点が非常に多く、握って良かったと思えるテーマです。興味がありましたら是非組んでみて下さい。
前置きが随分冗長になっていますので、そろそろ本題です。
- テーマの概要並びに現状のレシピ
- メインデッキ
- エクストラデッキ
- サイドデッキ
- その他採用圏内のカード
- 結び
- (1) テーマの概要
このテーマは、ネームモンスターを駆使して相手のライフを0にすることを目的とするビートダウンデッキです。他のビートダウンテーマと比してライフカットのスピードが尋常ではなく、遊戯王において後攻ワンキルを最も決めやすいテーマに数えられると思います。後攻1ターン目のバトルフェイズ中にゲームを終わらせるのが理想的な形と言えるでしょう。また、仮にターンを返すことになった場合ないしは先行を渡された場合でも、他の後攻テーマと比べて多少は磐石な妨害を敷き、ターンを返すことが可能です。
一級品のキル性能を有する一方、後攻を取る性質上全盛期のドラゴンリンクや未界域、セフィラのように先行で限度を弁えない非情な制圧盤面を構築し、一切の反撃を封じるテーマに勝つのは容易ではありません。また、オルターガイストやサブテラーのように戦闘破壊でアドを稼ぎにくく、なおかつ勅命、スキドレ、虚無空間、センサー万別等の開かれたらゲームエンド級の永続罠をさも当然のように盛り込む罠テーマも、非常に苦手とするところです。
インフレの進んだ昨今、「1枚初動」なるマジックワードが他テーマには存在するようですがサイバーは常に2枚以上のカードの組み合わせで展開するので良く事故ります。ドローの機嫌にかなり左右されるのも、このテーマの弱点です。
また、オルフェゴールの活躍著しい今日ではサイドデッキにシステム・ダウンの採用が多く見受けられ、1000ライフでこちらのリソースや妨害を軒並み剥がされる悲劇が頻繁に発生します(あれが速攻魔法じゃなくて本当に良かった)。どのテーマにも明確なメタカードは存在しますが、これほどまでに回復困難な被害をもたらすメタカードを抱えるテーマはそう多くありません。メタカードの被害の大きさも1つの弱点と言えるでしょう。
(2) 現状のレシピ
筆者は、他の人の40枚超え構築は良く練られた賜物だけど自分が使うそれはただの欠陥構築、という風に認識していますので40枚にまとめていますが、+1~3枚くらいの枚数になっても全然問題無いと思います。
【 モンスター 】24
サイバー・ドラゴン ×3
サイバー・ドラゴン・コア ×3
サイバー・ドラゴン・ネクステア ×3
サイバー・ドラゴン・ヘルツ ×3
壊星壊獣ジズキエル ×3
灰流うらら ×3
銀河戦士 ×2
PSYフレームギア・γ ×3
PSYフレーム・ドライバー
【 魔法 】15
エマージェンシー・サイバー ×3
オーバーロード・フュージョン ×2
サイバー・リペア・プラント
ハーピィの羽根帚
ライトニング・ストーム
墓穴の指名者 ×3
機械複製術 ×3
超融合
【 罠 】1
サイバネティック・オーバーフロー
【 エクストラ 】15
サイバー・ドラゴン・ノヴァ ×2
セイクリッド・プレアデス
サイバー・ドラゴン・インフィニティ ×2
転生炎獣アルミラージ
サイバー・ドラゴン・ズィーガー
捕食植物ヴェルテ・アナコンダ
PSYフレームロード・Λ
キメラテック・メガフリート・ドラゴン
キメラテック・ランページ・ドラゴン ×2
キメラテック・フォートレス・ドラゴン
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン
捕食植物ドラゴスタペリア
【サイドデッキ】15
ダイナレスラー・パンクラトプス ×2
原始生命態ニビル ×2
増殖するG ×3
ツインツイスター ×2
精神操作 ×2
超融合
レッド・リブート ×2
虚無空間
2.メインデッキ
モンスター 24枚
サイバー・ドラゴン 3枚
このカードがなければ何も始まりません。なんと2020年4月の時点で22回もパックやストラクに収録されているそうです。
サイバー・ドラゴン・コア 3枚
是非とも初手に来て欲しいこのデッキの要石。古のテキストなので分かりにくいですが前段と中段の効果はいずれか1つしか使えません。前段の効果は相手の場に超雷がいようと必ず発動する強制効果です。サーチ先のそれぞれは後ほど説明します。
中段の効果によって戦線維持がしやすいのも○
初動の動きにあまり絡むことはありませんが、自己展開も出来てサーチにも対応する死者蘇生です。めちゃめちゃ強いです。
二ビルやγをも容易く貫通してワンキル出来るのはこいつのおかげです。実はディンギルスやメルカバーも蘇生出来る。
サイバー・ドラゴン・ヘルツ 3枚
どこから墓地に行ってもサイバー・ドラゴンをサーチします。こいつを含め下級サイバーはフィールド、墓地に存在する限りサイバー・ドラゴンとして扱うルール効果を持っていることから、墓地のコアやネクステアも拾えます。②の効果は恐らく印刷ミスなので無視して差し支えありません。
銀河戦士 2枚
サイバーネームは持ち合わせていませんが光属性・機械族という噛み合ったステータスと優秀な自己展開効果を備えており、特に前述したヘルツをコストに前段の起動効果を使用する動きは巷では銀河ヘルツと呼ばれ、召喚権を消費せずインフィニティを用意する馬鹿みたいな芸当が出来ます。銀河ヘルツは一度通れば十分との考えから採用枚数は2枚です。被りは割り切ります。
壊星壊獣ジズキエル 3枚
現在トーナメントシーンで活躍するレシピには十中八九ドラグーンが採用されており、それに合わせた解決札です(無論ドラグーンに限らず超雷やシルキタス等もリリース候補ですが)。光属性・機械族なのでリペプラでサーチ出来たりフォートレスの素材になったりとシナジー抜群の壊獣です。
灰流うらら 3枚
春なので緩和。強い。
PSYフレームギア・γとドライバー 合計4枚
もともとここの枠はG3超融合1だったのですが、Gもγも相手の先行展開の一切を牽制し得るパワーカードという点で採用趣旨が同一であり、またγであればマリオネッターや導師等のGが有効に作用しえないテーマのモンスターにも強く打てます。
さらにこちらのGケアがままならない場合に敢えて銀河ヘルツから入ることで打点を供給しつつGを弾くことが可能です。
γは使い切りだから試合がもつれた際にはGの方が優秀ではないかとも考えましたが、相手がGを無視してワンキルに向かう中で強く打てるヴェーラーやうさぎをメインに採用しておらず、Gも結局は先行展開の牽制以上の仕事は果たせないのであれば、通りやすさを鑑みてγの方が良いという結論に至りました。
魔法 15枚
エマージェンシー・サイバー 3枚
全てのネームモンスターに対応したサーチ範囲を有するありがたい1枚。状況に応じたモンスターにアクセス出来るので3枚必須です。勅命やうららで効果が無効になった場合や九支やクリマクスで無効後墓地以外の場所に飛ばされた場合は②の効果は使えません。
サイバー・リペア・プラント 1枚
コアで一番持ってきているであろうカード。通常召喚したコアをアルミラージに変換しこれで銀河戦士をサーチする動きは100回じゃ足りない程やっています。ジズキエルにも対応しており、これでドラグーンを踏むことが出来るため2枚採用したかったのですが枠の都合上1枚です。
5期出身のカードとは思えないくらい壊れていらっしゃる。3枚採用がベターですが、アナコンダで実質的なサーチが出来るのと、うららや壊獣の採用に伴い2枚です。
機械複製術 3枚
機械族最強のリクルート魔法。下級に打つとデッキからサイバー・ドラゴンが出てきます。被っても(むしろ被って欲しい)連打出来るのでフル投入です。
墓穴の指名者 3枚
多くの誘発を止めることが出来る上、バベル適用化で誘発即時効果になったスケルツォンから蘇生されるディンギルスを止めたり雷神龍のチェーンに割り込んだりと活躍する場面がとても多いので3枚です。
ハーピィの羽根箒とライトニング・ストーム 各1枚
Gを採用していない都合上セットされた墓穴を重くもらってしまうことがあること、閃刀姫にも有効であること、バベルを剥がせることから後ろを触るカードとしてリブートではなくこの2枚を採用しています。通ったらほとんど勝ちです。どうせギルストークンはドラグーンにぶっ殺されますから、モンスターを送りつけられてライトニング・ストームが打てないという状況はトーチ・ゴーレムのような例外を除いてほぼないと思われます。
超融合 1枚
オルフェ、サンドラ、魔術師、エンディミオンと広い範囲での活躍が見込め、バトルフェイズ中の追撃や下級に当てられた無限ヴェーラーをかわすおしゃれもこなしたりします。スタペリアに繋げることで2枚の消費を1妨害に昇華出来るのが偉いです。
罠 1枚
サイバネティック・オーバーフロー 1枚
無限泡影やリブート等は格別、ターンを跨ぐことを前提とした罠などワンキルテーマには必要無いと思われる方が多いと思います。しかし、日を追うごとにワンキルのハードルは上がり続けており、体感10戦中3,4戦程度はどうしても仕留めきれずターンを返すことになってしまいます。そのような場合でもインフィニティと併用して蓋が出来るテーマカードとして1枚の採用です。
3.エクストラデッキ
サイバー・ドラゴン・インフィニティ 2枚
効果の発動にも対応する優秀なパーミッション効果とノーコストで素材に吸収する効果を備えており、ワンキルの露払いとして適任の1枚です。4月から特殊召喚回数に制限を持つモンスターの裁定が変更され、召喚無効を踏んだ場合でももう一度重ねてX召喚出来るようになり、2枚採用に明確な意義が生まれました。
サイバー・ドラゴン・ノヴァ 2枚
下敷き扱いされがちですが、①②③のどの効果も非常に優秀です。①の効果には同名ターン1の縛りが無くリンク値を伸ばしやすく、また③の効果のお陰でニビルの上からもワンキル出来ます。
セイクリッド・プレアデス 1枚
Gの止まりどころです。サイバーネームによってトロイメアリンクが出しにくいので、ユニコーンの代わりに採用しています。投げた壊獣を使いまわせたりと、ゲニウスより使いやすい印象です。
キメラテック・ランページ・ドラゴン 2枚
テキストには相手を殺すと書いてあります。CROSヤバいカードしか刷ってない。召喚時効果で自身のオーバーフローを破壊し、サーチ効果を使用する動きはたまにやるので覚えておいて損はないと思います。頻繁に出勤するので2枚です。
キメラテック・メガフリート・ドラゴン 1枚
新ルールでメインモンスターゾーンに出せるようになり強化された一方、素材範囲が実質的に狭められ弱体化も経験してしまった稀有なカード。アストラムや転生リンクモンスターなど処理に手間取る連中をどかしつつ2400打点を用意出来る優れものであり、またSSしたサイドラ+NSしたヘルツorネクステアを変換したアルミラージ+相手のアナコンダを素材にして出すと攻撃力3600となり、ドラグーンを上から殴れます。
真竜やサブテラー等のエクストラに余裕のあるデッキはこちらのモンスターだけで融合してくることもあるので、くれぐれも気をつけましょう。
転生がもっとシェアを伸ばしてきたら2枚に戻すつもりです。
キメラテック・フォートレス・ドラゴン 1枚
オルフェゴールとミラーで間違いない強さを発揮する1枚です。ボーダーも3秒で潰します。
サイバー・ドラゴン・ズィーカー 1枚
リンク2なのに4200打点。単体性能も非常に高いですが、ランページと並べてワンキルしたり、インフィニティを戦闘から守ったり細かい仕事が出来る一枚です。
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンと捕食植物ドラゴスタペリア 各1枚
超融合用です。
捕食植物ヴェルテ・アナコンダ 1枚
融合の概念を破壊した人。シークレット高すぎて買えません。前任はクロシープでしたが、1000倍くらいこっちのが強いです。
PSYフレームロード・Λ 1枚
自ターンに着地させたγの変換先として、被ったγを腐らせず、かつサイドの精神操作とも相性が良いことからΩではなくこちらを採用しています。
転生炎獣アルミラージ 1枚
コアを能動的に墓地に送ることが出来、レイジや雷神の破壊から前盤面を守れる優れものです。インフィニティと並べてターンを返す場合、スタンバイにリリースしてパンクラやメガフリートをケアします。
4. サイドデッキ
増殖するG 3枚
あらゆる手札誘発の中でも最高峰の牽制力を誇る説明不要のパワーカード。対面次第ですが、羽根帚やライスト、墓穴あたりと入れ替えることが多いです。
原始生命態ニビル 2枚
γ同様比較的通りやすい誘発として採用しています。こちらのインフィニティを超える為に展開で寄り道をする場合が多いので結構打ちやすいと思います。Gつっぱの戒めとして比較的早期に引き込みたいので2枚です。
ダイナレスラー・パンクラトプス 2枚
後攻挨拶カード。オルターやサブテラー等の罠対面で無類の強さを発揮する他、事故った時にごまかしてくれる良い奴です。γの4枠を使って精神操作と投入することが多いです。
精神操作 2枚
パンクラ同様対象耐性を並べてこないテーマに入れます。流石に強すぎる。
盗んだモンスターはリンク素材にしたり、攻撃表示にした後インフィニティの素材に入れたりします。
ツインツイスター 2枚
各種永続罠にチェーン出来る割り物としてライストではなくこちらを採用しました。先後問わず使いやすいです。
超融合 1枚
効く対面にフル投入します。
レッド・リブート 2枚
神すら黙らせる最強のメンコ。スペルスピード3の羽根帚。通るよう念じながらこのカードを打つ瞬間がたまらなく好きです。早く無制限に戻って欲しい。
虚無空間 1枚
先行で入れます。開けたら勝てるラッキーカードくらいの認識です。
5. その他採用圏内のカード
インスペクト・ボーダー
出すだけで200妨害くらい構えられますが、システム・ダウンはもちろん泡影パンクラ操作で分からされることもしょっちゅうな印象です。個人的には後ろに神含めたパワーの高い罠を構えてこそ輝く1枚だと思っています。
妖精伝姫-カグヤ-
先後問わず妨害と後続の確保が可能であり、システム・ダウンに怯えながらコアを出すくらいなら超雷の突破にもつながるこれを召喚した方が良いのかな、程度のサイドプランです。一応壊獣カグヤ出来ます。
簡易融合
エクストラの枠が空けばメインに採用します。サウサクとパンツァードラゴンを出します。
強欲で貪欲な壺
事故軽減札。複製や銀河戦士と噛み合いが悪いものの、これのお陰でワンチャン要素すら芽生えない試合を拾えることも多かったので枠があればメイン採用です。
死者蘇生
釣って強いモンスターであるドラグーンやディンギルスが環境に蔓延しているので入れたいです。
大熱波
後引きが弱く、先行でしか機能しませんがかなり強いです。
パワー・ボンド
殺傷能力抜群の融合魔法。消費の荒い正規融合ですが、複製術やヘルツのお陰でリソース消費をある程度緩和しながら打てます。アナコンダが消え、無限ヴェーラー系が減ってきたら是非ともまた採用したいです。
冥王結界波
問答無用で展開系が用意する妨害を剥がせますが、仮想的である3軸SやSPYRALはサイドプランにマルチワイヤーや九支等の罠妨害を用意していることも多く、どれほど機能するかは未知数です。
拮抗勝負
メイン2でインフィニティとオーバーフローで蓋出来るのでバトル放棄は大した問題ではありません。インフィニティ単騎でターンを返すことも多い都合上、盤面が空になりやすく、やり取りが発生した後にも手札から発動する条件を満たすのはそこまで難しくありません。再利用させない盤面除去をやぶ蛇や魔封じを避けつつノーコストで行え、未界とエルド含めた罠系に強いので採用を考えています。
魔封じの芳香
ライスト操作システム・ダウン等の後手魔法を止めつつターンスキップ出来、かつ捲った後の蓋として使えます。次元障壁や勅命より扱いやすいと思います。
ドラグーンプラン
このプランに充てられるであろう数枠を汎用妨害札にした方が事故らなくて良いのではと採用を頑強に拒んでいましたが、流石にドラグーンの単体性能が狂っているので使ってみたさがあります。次回ないし次々回の規制で使えなくなるのが先か、流行病が終息し再び競技環境が活況を呈するのが先かで採否を判断します。
もちろんこれらに限らず各種手札誘発や罠、先行プラン、展開札や捲り札の採用候補が存在しますので、環境に合わせて上手く構築を練れていければなと思っています。
6. 結び
いかがだったでしょうか。実績皆無のプレイヤーが、終始に渡り意見とも言えぬ稚拙かつ主観的な印象論を弄し続けたこの記事は、あまり皆さんの期待に応えられるような内容では無かったかもしれませんが、初めての投稿ということでご容赦頂ければ幸いです。質問や提言などいつでもお待ちしています。以上をもって擱筆とします。ここまで読んで頂き、ありがとうございました!